タイトル 放射性同位元素の発見について
(気象庁)
登録日付 2006/05/11



平成18年5月11日
文 部 科 学 省

放射性同位元素の発見について
(気象庁)


  
 平成18年5月10日(水)、気象庁地球環境・海洋部より文部科学省に対し、庁舎内で管理下にない放射性同位元素が発見されたとの連絡がありましたので、お知らせします。当該物質は、人の近づかない倉庫内の施錠した鋼製の書庫において、鉛容器に入れて保管されていたため、放射線障害のおそれ、環境への影響はありません。


1.事業所の概要
事業所 気象庁本庁
住 所 東京都千代田区
届出内容 海水フロンガスの分析、フロン・一酸化二窒素の分析のため、密封された放射性同位元素(ニッケル63)の使用の届出を平成3年に行なっている。

2.状況
@発見日:平成18年4月3日
A場 所:気象庁地下1階 海洋資料庫
B経 緯:
(1) 平成17年度末で日本近海海域における海洋放射能調査が終了したことに伴い、同研究に関連した機材等の整理をしていたところ、海洋資料庫に設置された書庫に入っていた木箱の中から、密封された放射性同位元素が鉛容器に入った状態で発見された。
(2) 当初、気象庁は独自に分析し、発見された放射性同位元素は規制対象外であると推定していたが、4月19日に専門機関に送付したところ、5月9日に専門機関より、規制対象下限値を超えているとの分析結果の連絡を受けた。
C発見物:
  核種:セシウム137(外寸法 10mmφ×29mm)
  放射能:約30MBq
  線量:鉛容器表面から1mで0.1μSv/h以下
  汚染の有無:
  発見場所の周辺及び、鉛容器の表面・内部に汚染はない。
  放射線障害のおそれ:
  発見された放射性同位元素は鉛容器に入れられており、また、海洋資料室は施錠され、通常人が立ち入ることはなかったため、被ばくのおそれはない。また、環境への影響もない。
D現在の状況:
  既に専門機関によって回収され、安全に保管されている。

3.今後の対応等
 文部科学省としては、気象庁に対して、放射性同位元素等が管理区域外に保管されていた経緯、原因及び再発防止策の報告を求めるとともに、併せて、これ以外にも管理下にない放射性同位元素がないかどうか再度徹底的な調査を行い、その結果について報告するよう指示した。
 また、放射性同位元素等の管理が不適切だったこと、及び昨年当省の指示に基づき同事業所において管理下にない放射性同位元素が放置されていないかどうか調査を行ったにもかかわらず、今般、放射性同位元素が発見されたことについて、気象庁に対し、厳重注意を行う予定。



(お問い合わせ)
 科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室長 梶田 啓悟
電話: 03−6734−4043(直通)
03−5253−4111(内線3940)